NOC777の日記

美味しい料理、酒(カクテル、ウィスキー)を中心に、車のことも。

バーマジック

僕は馴染みのバーでいいことがあるとマスターに「今日もバーマジックにかかったよ」と話す。

バーマジック、どういう意味なの?と聞かれるとなんとも答えにくいのだが「マスターやお客さんが作る雰囲気に引っかかっていい気分になる」と自分の中で考えている。引っかかってというのはもちろんいい意味で、僕も含めてお客さんは普段と変わりなく飲み、バーテンダーはいつもどおりにお酒を作っているがいつの間にか新たな出会いや美味しいお酒に出会うことを僕の中ではバーマジックと言っている。

 

先日、馴染みにバーに行った。その時はカウンターが1席だけ空いていて、左隣には僕より若い女性二人組、右隣には僕より少し年上の男女。その間に座るのはかなり勇気がいたが、こちらもほろ酔い。「お隣失礼します」と言って座りオーヘントッシャンというウィスキーを飲み始めた。何杯か飲んでいるうちに右隣の男女がカクテルとウィスキーといちごのカクテルをオーダー(このいちごのカクテルが絶品)。オーダーに応じてカクテルとウィスキーを準備するマスター。そしてマスターの作るカクテルやグラスに注ぐウィスキーを見て「キレイ!!」という声が左隣の女性たちから聞こえてきた。僕もそのときには普段と変わりなくマスターが作るカクテルをキレイだなぁと思って見ていた。気づいたときには僕を含めた5人はお酒の話で盛り上がっていた。聞くところによると女性2人は先輩の紹介で店に来たようで、次の日には引っ越しなので最後の夜に飲みに来たと話していた。この街での最後の夜、2人は楽しんでもらえたかな。そしてこれからもバーの世界を楽しんでもらいたいなぁと心から思った。

 

その後は男女2人といい距離感でのトーク。バーには同じ嗜好の人が集まるんだよと言われたが、まさにそのとおり。お酒の話をしながら007の話で盛り上がる。ダニエル・クレイグ演ずるジェームズ・ボンドは完璧じゃないところがカッコいいとかね(好きだった女のことが忘れられないとか、感情的に動いているところとか)。そしてお二人が飲んでいた45年もののウィスキーが素晴らしかった。45年、僕が生まれるずっと前のお酒はそう飲む機会はない。恐れ多かったが一口頂いたときには興奮してしまうくらい美味しかった。

 

そんな時間を過ごしたバータイム。また、いつかお会いしたいなぁ。